見た目がそっくりで、もしかして白酒と甘酒って同じ種類の飲み物なの?なんて勘違いする人が多くなってきていますが、それは大きな間違いです!
今回は見た目は似ていてもまるっきり違う飲み物である、白酒と甘酒の違いについて紹介していきます。
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白酒の定義
まず白酒ですが、白酒は元々ひな祭りに飲む飲み物として有名です。
白酒はアルコール度数が10%を超える立派なお酒で、味の特徴としては甘みが強い事が挙げられます。
作り方は、蒸したもち米に、みりん(焼酎や米麹を代わりに加える場合もあります)を加えて、数週間後に臼で引き下ろして作られます。因みに白酒は酒税法ではリキュールに該当する為、個人で勝手に作る事は禁止されています。
甘酒の定義
対して甘酒は、水分を多めにして焚いた米やお粥に、米麹を加えて発酵させて作るのですが、白酒と違い一晩の発酵で完成します。
その為に、『一夜酒』とも呼ばれています。
こちらは酒税法でお酒ではないと分類されているので作っても構いませんが、アルコール度数は1%前後含まれています。(なのでソフトドリンク扱いになります)
同じものではない!
上記の作りの違いを見て貰えば、別の飲み物である事は明白です。
しかし、ひな祭りの場などでは、大人は白酒を飲み、子供は甘酒を少し飲むようにされている事や、似ている見た目で同じ物であると勘違いする人が多くなってしまったのかもしれませんね。
また、元々は白酒がひな祭りの定番であったのですが、アルコール度数の関係で甘酒を子供に与えるようになったと言われています。
違いのまとめ
違いをまとめてみると、
- 白酒は自宅で製造不可、甘酒は製造可
- 白酒はアルコール度数10%前後、甘酒はアルコール度数1%前後
- 酒造方法が違う(出来る期間も白酒数週間に対し、甘酒は一晩)
白酒がひな祭りに飲まれるようになった起源
白酒がひな祭りで飲まれるようになったのにはしっかりとした理由があります。
昔とある女性が大蛇を身に宿してしまい、途方に暮れていたそうです。ですが、ひな祭りの日に白酒を飲むと、その大蛇を胎外に出す事が出来た事が由来になり、『白酒を飲むと胎内に悪い子を宿さずに済む』という言い伝えが江戸時代の後半に定着しました。
終わりに
白酒と甘酒は勘違いしてどちらでも良いからと子供に飲ませるのは非常に危険です。
ですので、きちんと違いを理解した上で分量を計り、美味しく頂けるように気を付けてくださいね。
また、ただ美味しいから飲むだけではなく、白酒に込められた想いをしっかり受け止め、子供にもその伝統を伝えていく事も大切です。