お寿司屋さんでお寿司を頼む時、『○○を一貫!』と、お寿司の数を『貫』で数えますよね。
では、いつからそんな独特の数え方になったのか、『○個ではだめなの?』という素朴な疑問までまとめてみましたのでご紹介します。
『貫』の由来
『貫』を単位として使い始めたのには様々な説がありますが、
- 『貫』が通貨単位として使われていた頃に、丁度お寿司は一個が丁度一貫の値段であった事から、○貫と現在では単位で使われるようになった。
- 巻物の単位であった『巻』が、『貫』と変化し、今の○貫という単位になった。
- 当時の江戸の庶民は財布などを持たずに、穴の開いた銭通貨を紐に通して50枚に纏めた上で携帯しており、その単位として用いていた『貫』が昭和に入ってから寿司を数える単位として使われるようになった。
という説が有名です。
意外な事に、寿司が『貫』と呼ばれるようになったのはいずれも昭和からのようですね。
一貫はお寿司何個分?
では、『一貫』とはお寿司何個分に相当するのでしょうか?
実は、『貫』というのは江戸時代では質量を示す単位として使われており、お寿司の一貫とは、約40~50gであると考えられています。
なので、ほとんどのお寿司屋さんでは、約40~50gの量のご飯を二つのお寿司、または三つのお寿司で分けて提供しており、そのイメージから一貫=二個というものに繋がったと考えられています。
軍艦巻きのカウントの仕方
では、握り寿司ではない軍艦巻きの数え方はどうなるのでしょうか?
軍艦巻きは元々江戸時代には存在しておらず、昭和初期に『変わった寿司を食べさせてくれ。』という客が現れ、当時では珍しかったいくらを駆使して寿司を作ろうとしましたが、握り寿司ではうまくまとまらずに困っていた所、海苔を使って現在の軍艦巻きの形にした所味は勿論の事、今までは握り寿司に使えなかったいくらを寿司にする事が出来た物珍しさも手伝って軍艦巻きは種類を増やし、お寿司の人気ネタにまで上り詰めました。
そんな軍艦巻きの数え方は、お寿司同様に一貫、二貫で構わないそうです。人によっては、巻物である事で、一巻・二巻と数える方も居ますが、特に決まりはないようです。
かっぱ巻きなどの巻物の場合
さて、今度はかっぱ巻きや鉄火巻きなどの巻物の単位ですが、こちらは少々勝手が違います。
元々かっぱ巻きや鉄火巻きは長く巻いた物を切り分けてお客さんに提供するタイプのお寿司です。
そういった物は、切り分ける前の状態は『○本』とカウントし、切り分けた後には『○個』または『○切れ』とカウントします。
なので、かっぱ巻きや鉄火巻きを注文する時は単位に気を付けてくださいね。
終わりに
お寿司の中でも細かく個数の言い方が決まっているとは驚きですね。
しかし、ちょっと豪勢に江戸前寿司を食べようと思う時に、知らずに恥ずかしい思いをしないように上記の単位を参考にお寿司を楽しんでくださいね。