夏の代表的な食べ物のひとつであるスイカ。
暑くなってくると、スイカを食べて涼みたくなりますよね。
一般的にスイカといえば、緑色の皮に赤い色の実を想像するのではないでしょうか?
しかし、スイカには黄色い実のものもあります。
この赤色のスイカと黄色のスイカでは、含まれる栄養はどう違うのか、また食べたときの味は違うのかについて、ご紹介します。
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赤色と黄色のスイカは品種も違う!
まず、赤色のスイカと黄色のスイカは、同じスイカでも品種が違います。
一般的によく目にする赤色のスイカは、大玉スイカと呼ばれるものが多くなっています。
一玉あたり3~5kgほどが平均的な重さで、大きいものでは7~9kgほどにもなります。
そして、別の種類で小玉スイカという種類があり、こちらは一玉あたり1.5~3kgほどの重さです。
これに対して、黄色のスイカは黄色スイカという種類で、「クリームスイカ」ともいわれます。
黄色スイカの中でも大玉の品種や小玉の品種がありますが、いずれも緑色の皮の中が鮮やかな黄色の実であることが特徴です。
色の違いによる栄養成分の違い
赤色のスイカと黄色のスイカは品種が違うことがわかりました。
では、色が違うことで含まれる栄養素にはどのような違いがあるのでしょうか?
食品成分表で比較すると、エネルギーをはじめ、炭水化物、タンパク質、脂質、ミネラル類、食物繊維の数値はまったく同じです。
唯一違っている点は、ビタミンの一種であるβ-カロテンです。
β-カロテンは赤い色素のひとつで、赤色のスイカに含まれています。
赤色の色素はこれだけではなく、代表的なものに「リコピン」があります。リコピンは色素成分であるカロテノイドのうち、カロテン類に分類されます。
赤色であるため、もちろん黄色のスイカにはない成分です。
赤いスイカのほか、トマトにも豊富に含まれることで有名です。
では、赤い色素を含まない黄色のスイカはどのような成分を含んでいるのかというと、同じカロテノイドのうち「キサントフィル」という成分を含んでいます。
キサントフィルには、クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチンという黄色の色素があります。
黄色のスイカは、このような黄色の色素成分を含んでいるために黄色になるのです。
キサントフィルは、黄色のスイカのほかにもトウモロコシやかぼちゃ、ホウレンソウ、卵黄などに含まれています。
リコピン、キサントフィルの健康効果
赤いスイカに含まれるリコピン、そして黄色のスイカに含まれるキサントフィルには、それぞれどのような健康効果があるのかをご紹介します。
リコピン
リコピンには、強い抗酸化作用があります。
そのため細胞の酸化を防ぎ、細胞を健康に保つことができます。
これによって、いわゆる「アンチエイジング効果」や、がんの予防効果が期待されます。また、日焼け予防・メラニン生成抑制効果があることもわかっており、美肌効果も期待できます。
キサントフィル
キサントフィルはプロビタミンAとも呼ばれ、ビタミンAに変換される前段階の構造をしています。
摂取すると、体内で必要な分だけビタミンAに変換され、ビタミンAとして視覚や皮膚・粘膜の維持など様々な働きをします。
さらに、キサントフィルは抗酸化作用があり、細胞を健康に保ちます。
リコピンと同様にがんの予防効果が期待できますが、特に肺がんではキサントフィルの一種であるクリプトキサンチンでのみ発症リスクの低下が認められています。
また、糖尿病でも同様に、キサントフィルでのみ発症リスクが低下すると報告されているようです。
スイカの色の違いによる味への影響
赤色のスイカと黄色のスイカでは、味も少し違っています。
基本的には赤色のスイカのほうが糖度が高く甘いとされています。
黄色のスイカも近年は品種改良により糖度が高くなっていますが、赤色のスイカに比べるとあっさりとした甘さが特徴です。
2種類のスイカを食べ比べることで、見た目の違いだけでなく、味の違いも楽しめそうですね。
最後に
赤色のスイカと黄色のスイカの色が違う理由とともに、含まれる栄養成分の違いとその健康効果についてご紹介しました。
含まれる色素成分が違うことで、得られる健康効果も少しずつ違ってくるようです。
一般的に多く食べるのは赤色のスイカですが、色が違うと食べるときのわくわく感や楽しみも増してきますよね。
最近では、黄色だけでなく実がオレンジ色になる品種のスイカも登場しています。
さらにスイカ自体の形も、四角や三角、なんとハート型まで登場しているそうです。
スイカを食べるときに違う色のスイカを選ぶと、見た目と味の違いを楽しむことができ、特別な形のスイカは自宅ではもちろん、贈り物などにしても喜ばれそうですね。
この夏は、いつものスイカと違う品種のスイカを選んで、みなさんで楽しんでみてはいかがでしょうか?