甘くて程よい酸味が癖になる、子供にも大人気の果実であるはっさくですが、そのはっさくによく似たいよかんというのがありますよね。
柑橘類は色々と種類があり、ごちゃ混ぜになっている人も多いのではないでしょうか。
今回はそんないよかんとはっさくの違いについて、紹介していきます。
いよかんの歴史
それではまず、いよかんから見ていきましょう。
いよかんは1966年に命名登録され、別名宮内いよかんとも呼ばれています。サイズは温州みかんよりも大きめの約8cm~8.8cmです。
いよかんは、元々いよかんという品種を開発しようと作られた物ではなく、明治19年に山口県阿武郡東分村で偶然発見された品種です。
最初はみかんに似ていた事から、『穴門みかん』と呼ばれ取引されていましたが、明治22年に転機が訪れ、三好保徳氏が原木を購入後、愛媛県へと導入し、苗木を育成した後に農家へと配って育成を促進させました。
そうして出来た物を『伊予蜜柑』と呼んで、浜松の市場へと出荷されるようになりますが、温州みかんとの名前の差別化を図るために、昭和5年には『伊予柑』という呼び名になりました。
はっさくの歴史
対して、はっさくはいよかんと違い命名登録はされていません。大きさは最低基準がいよかんより少し大きい約8.5cm~8.8cmです。
はっさくもいよかんと同じで、目的があって開発された品種ではなく、広島県因島田熊町にあるお寺の恵日山浄土寺の境内で発見されました。
はっさくの呼び名は、当時の住職である小江恵徳氏が、『八朔(当時の8月1日を指す、現在は8月30日を指す)には食べられる』と言った事がきっかけで、はっさくと呼ばれるようになりました。
いよかんとはっさくの違い
いよかんとはっさくにはサイズ以外にも色々な違いがあり、まず取り扱われる季節がいよかんは4月上旬から4月下旬、はっさくは12月下旬から2月下旬となっています。
また、味にも多少の違いがあり、いよかんは甘みと酸味が強いのが特徴ですが、はっさくは甘みのみが強いのが特徴とされています。
他にも、はっさくの方が外側の皮・内側の皮・粒の三つがいよかんに比べて固く出来ています。そして、固いこともあってか果汁ははっさくの方がいよかんよりも少なく出来ているのです。
品種の違い以外にも、実はこれだけ大きな違いが二つの間にはあったのですね。
終わりに
はっさくは堅いですが、甘さが強いので子供のおやつなどには酸味の強いいよかんより向いています。
ですが、酸味を欲する妊婦さんからしてみればいよかんの方が良いでしょう。
それぞれ欲しい人のニーズに合わせて食べ分けるようにしてはどうでしょうか。