おでんなどの煮込み料理としてなじみのある「牛すじ」。
独特の触感が魅力で、寒い時期や、お酒のおつまみとして食べたくなりますよね。
そんな牛すじですが、具体的に牛のどこの部分なのかご存知でしょうか?
何気なく食べている牛すじですが、牛のどの部位なのかを詳しく知っている方は少ないかもしれません。
今回は、そんな牛すじの正体や味・食感・栄養などの特徴について、詳しくご紹介します。
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牛すじと呼ばれて、食べている部分って牛のどの部分のすじ?
そもそも牛すじと呼ばれているものが牛の身体のどの部分なのかというと、牛のアキレス腱の部分になります。
もしくは、このアキレス腱の付いたお肉自体を「牛すじ」と呼ぶこともあるようです。
牛すじは、他のお肉に比べて家庭で調理される機会は少ない部位です。
そのため、店頭で見かける機会は少ないかもしれません。
そもそも「スーパーで牛すじを探したことがない……」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
牛すじと呼ばれる部分の肉の特徴
牛すじは、一般的に「固い」、「臭みがある」といったイメージを持っている方が多い部位です。
牛すじをやわらかく調理するには長時間かけてコトコトと煮込まなければならず、手間もかかりそうです。
しかし、そんな牛すじも圧力鍋を使えば短時間で簡単にやわらかく調理することができるのです。
また、圧力鍋で下茹でをして余分なアクを洗い流せば、牛すじ独特の臭みも取り除くことができます。
牛すじに含まれる栄養については、脂質が多いイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?
牛すじを使った煮込み料理は、ぷるぷるとした食感で濃厚な牛すじが味わえるものが多くなっています。
しかし、このぷるぷる食感の正体は「コラーゲン」です。コラーゲンはタンパク質の一種で、牛すじに豊富に含まれています。
牛肉の肩ロース(皮下脂肪なし)を例に、牛すじに含まれる栄養量と比較してみましょう。
可食部100gあたり | 牛肩ロース(皮下脂肪なし、生) | 牛すじ(ゆで) |
エネルギー(kcal) | 237 | 155 |
タンパク質(g) | 18 | 28.3 |
脂質(g) | 17.1 | 4.9 |
炭水化物(g) | 0.1 | 0 |
牛すじに含まれるタンパク質は28.3gで、牛肩ロースよりも10g以上多くなっています。
牛すじの脂質は牛肩ロースの1/3以下で、エネルギーも牛すじのほうが約90kcal低いことがわかります。
このことから、牛すじはヘルシーなお肉であるといえるでしょう。
牛すじっていつくらいから食べられているもの?
牛肉を食べることが一般に広まったのは、明治時代にはいってからだといわれています。
お肉自体は、それ以前から狩猟などによって捉えた動物のお肉を食べる習慣がありました。
しかし、野生には牛はおらず、675年に天武天皇が肉禁止令を出したこともあり、明治に入るまで一般的に牛肉を食べる習慣は広まらなかったようです。
明治にはいると「牛鍋屋」という飲食店ができ、現在のすき焼きのような牛肉料理を提供するようになりました。
その他にも、軍需用の料理として牛肉やじゃがいも、こんにゃく、たけのこなどを甘辛く煮込んだ「牛肉大和煮」という料理が普及したそうです。
当時は、現在のように食肉用として育てた牛が少なく、肉質が固いものが多かったと考えられます。
そのため、煮込んでやわらかくする料理が多く普及したと考えられています。
牛すじってどういう風に食べられている!?
牛すじは、単に火を通しただけだと固く、食べやすいとは言い難い部位です。
さらに牛すじ独特のニオイもあり、好みが分かれるところかもしれません。
そんな牛すじの特徴を克服するための調理方法が、「煮込み料理」です。
じっくりと煮込むことで、牛すじがやわらかくなります。
また、煮込みながら出てきたアクを取る、あるいは牛すじを下茹ですることによって、牛すじ独特の臭みを取り除くことができます。
牛すじの煮込み料理としてよく食べられるものとしては、牛すじをだしで煮込んだ「おでん」や、醤油ベースの調味液で煮込む「牛すじ煮込み」、また、愛知県の名物料理でもある「土手煮」などが挙げられます。
どれも、居酒屋さんのおつまみメニューとしてよく見られる料理ですね。
この他にも、牛すじをお肉としてやわらかく煮込んだ「牛スジカレー」などを提供しているお店もあるようです。
ぷるぷるでコクのある牛すじと、濃厚でスパイシーなルーが食欲をそそりそうな一品ですね。
まとめ
おでんなどの煮込み料理によく使われるお肉、「牛すじ」についてご紹介しました。
牛すじは脂質が多くて高カロリーなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実は高タンパク低脂質で、ヘルシーなお肉の部位であることがわかりました。
また、調理の手間がかかる牛すじですが、圧力鍋があれば自宅でも簡単においしく調理することができます。
もし、スーパーで牛すじを見つけたら、牛すじ料理にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?