ピラフとチャーハン、どちらも米と具材を炒めて味付けした料理です。
冷凍食品や給食のメニューにもあり、好んで食べる方は多いです。この2つの料理を思い浮かべると、味付けや中に入っている具材が違いますよね。
ピラフはエビやイカなどの海鮮系が多く具材に使われ、どことなく洋風な雰囲気があります。
チャーハンは卵やネギ、角切りのチャーシューなどいろいろな食材を具材にした中華料理です。今回はピラフとチャーハンの違いについてご紹介します。
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ピラフとチャーハンの大きな違い 作り方
米と具材を一緒に炒めるという作り方は一緒ですが、大きく違うポイントは“お米の火の入れ方”です。
本来ピラフはみじん切りにしたタマネギを生米のままバターで炒めて、それから肉、野菜、魚介類といった具材を入れて、スープや香辛料を入れて弱火でじっくり炊いて作ります。
そのため、ピラフは炒め料理ではなく、炊き込みご飯の一種なのです。
チャーハンは炊いた米と具材を炒めて油で作るので、れっきとした炒め料理です。
ただし、普段食べているピラフとチャーハンの場合、チャーハンを鍋や炊飯器を使って米を具材と調味料とともに炊いて作ることがあります。
また、ピラフを炊いた米を具材とともにバターで炒めて作る場合があります。
そのために現在では、チャーハンはごま油やしょうゆ風味の中華テイストのごはんで、ピラフはバター風味の洋風テイストのごはんという位置づけになっています。
ピラフとチャーハンの大きな違い 味
ピラフは米を硬めに炊いて作るので、表面はしっとりしていて中心は少し食感が残る仕上がりとなります。
炊くスープやブイヨンによって味を変えることが出来ます。
また、具材の味を吸って米が炊き上がるので一粒一粒に味が染み込んでいます。
バターを使って炒めてから炊くことで、少しこってりとした味わいが特徴的です。
チャーハンは最初に溶き卵を炒めてから炊いた米、具材を加えて炒めて作ります。
チャーハンをおいしく作るには米をパラッとさせるために強火で作ることが重要となってきます。
味付けにしょうゆやごま油を使用することが多いため、焦げたしょうゆの香りが食欲をそそります。
しっとりぱらぱらなチャーハンの米は卵と油でコーティングされているので、少しオイリーさを感じつつもしょうゆベースの味わいが特徴的です。
ピラフとチャーハン 料理の歴史
ピラフは西洋料理と思われている方が多いかも知れませんが、主にトルコ料理として有名な料理です。
トルコ以外でもインドから中近東、ギリシャといった広い地域で食べられています。
ウズベキスタンでは紀元前から食べられており、古い歴史を持つ料理です。
チャーハンは米を食べる習慣がついた唐や宋の時代から食べられており、中国が誇る国民食となっています。
中華料理の炒め物は強火で作るものが多く、チャーハンが最初に強火で作られた料理とされています。
ピラフとチャーハン 使うお米の品種も違うの?
ピラフ本場のトルコでは、ジャポニカ米、インディカ米、蒸した小麦の3つが使われています。
世界的に見ると粘り気の少ない長い粒の米であるインディカ米を使うことが多いです。
チャーハンもべたつくこと防止のため、水分の少ないインディカ米が適しているとされています。
ピラフはスープ、チャーハンはしょうゆといった水分を含む調味料を使うことと、仕上がった米に水分をあまり含ませたくないことから、粘り気が出てしまうジャポニカ米はあまり使われません。
しかし、日本ではインディカ米が口に合わない方が多いため、ジャポニカ米が使われることが多いです。
チャーハンと似た料理“ヤキメシ”とは?
チャーハンに似た料理として、ヤキメシというのがあります。
ヤキメシは鉄板焼きが多い関西発祥の料理とされ、チャーハンは米を炒める、ヤキメシは米を焼くと区別し、名前がつけられています。
しかし、この両者は調理の過程ではさほど大きな違いはありません。
また、チャーハンとは違いヤキメシは米を炒めたあとに溶き卵を入れて作りますが、材料や味、作り方に明確な違いはないため、飲食店ではどちらも米を炒めた料理という意味で使われています。
ピラフにも似た料理があった!“パエリア”とは?
スペインにもピラフのように生米を具材とともに炊き上げて作るパエリアという料理があります。
パエリアは平たい底と取っ手を持つ浅いフライパンを使って作られるのが特徴的です。
また、ピラフはバターで炒めてからスープで炊いて作ることに対し、パエリアはオリーブ油で炒めてから水、サフランを加えて作ります。
米の炊き具合も似ていて、少し硬めになるように炊き上げます。
最後に
ピラフとチャーハンは味付けだけではなく、作り方そのものに大きな違いがある料理でした。
2つとも似て非なる料理ですが、歴史を持つということは昔から好まれているおいしさだったということが伺えます。
ピラフもチャーハンもこだわって本来の方法で作ると、長い歴史の味に触れられるかもしれませんね。