食事の際に味噌汁を一緒に飲む人は多いと思います。特に寒い時期には体がじんわり温まってほっとしますよね。
そんな味噌汁にほうれん草を具材として入れることもありますが、そのときほうれん草は下茹でしますか?それともそのまま入れてしまいますか?
実は下茹でするかしないかによって、ほうれん草の味噌汁は栄養面や味において大きな差ができてしまいます。
そこで、ほうれん草の味噌汁の正しい作り方について紹介したいと思います。
ほうれん草は下茹でした方がいい!
まず、ほうれん草を下茹でしてから具材にするのか、生のまま入れるのか…ということですが、正解は「下茹でしてから」です。
ほうれん草には「シュウ酸」が含まれており、この「シュウ酸」を大量に摂取してしまうとカルシウムの吸収を邪魔してしまいます。それだけではなく、体内にある血中カルシウムと結合して腎臓や尿路に結石を作ってしまう原因となります。
また、「シュウ酸」自体ほうれん草のアクの元でもあるので、アク抜きのためにも下茹では必要になります。
ちなみに、ほうれん草をゆでたときに出てくる緑色のアクが「シュウ酸」の正体ということになります。
下茹ですると栄養面でもプラスの効果!
下茹でした方がいいのには理由があります。
下茹でせず、生のままほうれん草を味噌汁に入れてしまうとほうれん草から出た「シュウ酸」をそのまますべて飲んでしまうことになります。
「シュウ酸」は水溶性であり、生のまま入れることによってほうれん草からどんどん溶け出てしまいます。それをそのまま味噌汁にしてしまうと溶け出た「シュウ酸」はすべて味噌汁の中に入ったままとなってしまいます。
溶け出た「シュウ酸」を大量に摂取すると先ほどのような健康被害がありますので、できれば飲みたくないものですよね。
また「シュウ酸」はアクのもとであり、味はえぐみがあります。生のまま入れると溶け出た「シュウ酸」によって味噌汁の味にえぐみが出てしまうことになります。それにアクとして出る場合、緑色をしているので味噌汁自体の見た目も悪くなってしまうこともあります。
ほうれん草を味噌汁に入れるタイミング
では下茹でしたほうれん草はどのタイミングで味噌汁に入れるべきでしょうか。
それは「味噌を入れ終えた後」または「お椀に直接入れて、上から味噌汁を注ぐ」です。
下茹でした状態でもあまり加熱すると残ったシュウ酸が出てしまう場合があるので、あまり加熱がされないタイミングで入れるのがベストです。
ちなみに下茹でしたほうれん草は保存することが可能なので、毎回入れるたびに下茹でするのが面倒な人は多めに下茹でしたほうれん草を1回分ずつ冷凍して保存すると下茹での時間を短縮することができるので便利ですよ。
まとめ
ほうれん草を食べる時は基本的に下茹でするということを覚えておけば今後困ることはないと思います。
「茹でた食感が好きじゃない」など茹でたくない場合は水でしっかり流したり、さっと茹でて冷水で流すとある程度シュウ酸を流しつつ食感も確保できます。
水にさらす時間が短いほどシュウ酸はほうれん草の中に残っているので、できれば水やお湯でしっかりとさらすようにしましょう。