土用の丑の日以外にはなかなか食べる事が出来ない人が多い高級食材であるうなぎ。
しかし、日本人の多くが大好きなメニューでもあります。
このうなぎを食べるときに多くの場合はうな丼やうな重という形で食べたりしますが、この両者にどんな違いがあるのか知っていますか?
今回は容器以外は同じように見えるうな丼とうな重の違いについて紹介していきます。
うな丼の発祥地
うな丼には実はかなり古い歴史があったのをご存知でしたか?
うな丼の誕生は、現在の茨城県龍ヶ崎市牛久沼であったと伝えられ、誕生した時代は江戸時代後期にまで遡ります。
鰻が大好物であった大久保今助という人物が、ある日川岸で渡し舟を待っている際にたまたま近くにあった茶屋に入り、鰻と丼ご飯を頼みました。
しかし、丁度出て来た頃に船が出るタイミングとなってしまい、まさか両手にお皿と丼を持って駆け出す訳にもいかず、大久保は咄嗟に丼の中へと鰻を放ってしまいます。
これが功を奏して、対岸に着いてそれを食べてみると、程よく味の付き柔らかくなったご飯と鰻の相性が抜群だったそうです。
その後は諸説あるのですが、この味にいたく感動した大久保自身が自分の経営する芝居小屋にてうな丼を販売し、そこから広まったという説や対岸に丼を返す際に美味しかった事を茶屋の店員に伝えてぜひメニューに加えるように勧めたところ、爆発的にヒットして広まったとされています。
うな重の発祥地
意外な事に、うな重はうな丼よりも後に開発されており、その発祥の地は東京であると言われています。
昭和35年頃、『重箱』という鰻屋でご飯に鰻を載せたものを重箱に入れて出したのですが、その高級感が人気を呼び、周りの鰻屋も真似するようになって広まったそうです。
違いは量? それとも入れ物?
さて、それでは具体的なうな丼とうな重の違いは何なのでしょうか?
実はうな丼もうな重もうなぎの量・ご飯の量・タレの量に差はほとんどないのです。
どこに違いがあるのかと言うと、それは店ごとに違うのですが、多くのうなぎを扱う店舗では、『器』か『付け合わせ』で差をつけている所が多い様です。
うな丼は丼に、うな重は重箱に入れる事で見た目の違いを出す場合と、お新香やお汁の付け合わせをそれぞれによって変える場合があるそうです。
値段の違いは?
気になるのは勿論、値段なわけですが、意外な事に値段も実は一緒だったのです。
お店によっては、うな丼の方に比重を置いて、うな丼の器を立派な有田焼などの有名な陶器にして、高級感を演出し、付け合わせもうな重よりも良い物を出す所があるそうです。
ですので、うな丼とうな重の値段の違いは、それこそお店側のさじ加減である事が分かりますね。
終わりに
ほとんど味付けも見た目も変わりませんので、選ぶ際には付け合わせやそのお店の付けているうな丼とうな重の値段で判断した方が良いかもしれませんね。