昔からお花見のお供として、軟らかさもあいまって老若男女から愛される桜餅と、『え、それって花より男子のキャラの名前じゃないの?』と一瞬思ってしまう道明寺。
今回はそんな二つの違いについて紹介していきます。…決して花より男子の道明寺君の話ではありませんよ!
桜餅の起源
まずは桜餅の歴史を知りましょう。
桜餅の始まりは、何と江戸時代にまで遡り、享保二年(1717年)に長明寺の前で売られていた、桜の落ち葉を醤油樽に漬けて餅に巻いたものが起源だと言われています。
それからゆっくりと庶民の間に知れ渡っていき、年号が文政に入る頃には書物に書き残される程に人気となったのです。
道明寺の起源
次に、道明寺の起源について紹介していきましょう。
道明寺は、道明寺粉を使い桜の葉で包む桜餅を指す言葉として使われています。
因みに道明寺粉は同名のお寺が由来となっており、別名京風桜餅とも呼ばれています。
桜餅と道明寺は別物!?
上記だけを見ると、何となく多少の違いはありつつも同じ桜餅の仲間では…という印象を受けますね。
実は大きな違いというのは、上記に出てきた粉にありました。
元々桜餅の始まりは、享保二年に長命寺の前で売られた物が最初とされ、その桜餅は『長明寺』と呼ばれるようになりました。
そして、じわじわと上方(今で言う関西)方面へと伝わり、伝わる中で長明寺では粉に小麦粉を使っていた事に対し、上方では道明寺という粉を使うようになった事で、いつの間にか『桜餅』と『道明寺』と分けて考えられるようになったのです。
ですので、呼ばれ方の違いには地方の差もありますが、粉が大きな決め手になっているようですね。ですが、長明寺も道明寺も同じ桜餅の種類と考えて間違いはありません。
他の違い
では、桜餅と道明寺は他にどんな違いがあるのかというと、長明寺と呼ばれる桜餅は筒の様な形で作られるのに対し、道明寺は丸っこい形で作られています。
他にも、カロリーにも微妙な差異があり、それぞれ100gあたりのカロリーを計算してみると、長明寺が約283kcal、道明寺が約200kcalと長明寺の方が少しだけ高く出来ています。
終わりに
普段生活していてスーパーで目にする桜餅にはわざわざ『道明寺』か『長明寺』かなど記載されているのを目にした事はあまりありませんし、そもそも『道明寺』と言われても、大人気漫画の『花より男子』が浮かんで来た人も少なくはないでしょう…。
今度からは自分が食べている地域の桜餅は何に分類されているのか、関西の人であれば関東に行った際に小麦粉で作られた桜餅を食べて其の食感や味の違いを楽しんでみてはどうでしょうか。