お店でお刺身の盛り合わせを注文した時やスーパーでお刺身を購入した時には必ずといっていいほど、大根やシソなどの「つま」がついています。
しかし、つまといっても種類は豊富です。その中で時々、これは食べてれるのか、飾りなのか気になる「つま」は、ありませんか?
その中でも、気になるつまといえば、“赤いかいわれ”のような葉っぱ。
みなさんは食べていますか?また、それが、一体何なのかご存知ですか?
その存在が気になりつつも名前も正体も分からないままという方に、謎めいた赤い食べ物の“蓼(たで)”についてご紹介いたします。
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「赤紫の物体 蓼(たで)」って何物!?
赤いつまの正体は、紅蓼(べにたで)という食べ物で、タデ科イヌタデ属の柳たでという植物の変種の若芽のことです。
食べると、ピリッとした辛味があります。
食感は、私の個人的な意見ですが、ブロッコリースプラウトに食感が似ていると感じました。
また、その辛味があるという特徴から「口の中がただれるほど辛い」という「ただれ」が変形し「たで」になったと言われています。
「蓼(たで)食う虫も好き好き」と言うことわざがありますが、これは、「辛いのに蓼を食べる虫がいるように人の好みも様々である。」という意味だそうです。
ことわざに引用されるくらいピリッとした辛味がクセになる人もいれば、苦手な人もいるくらい好みが分かれる食べ物のようです。
しかし、実際にお店で食べる頃には、辛味はあまり残っていないそうです。
お刺身につまって何でついてるの!?
蓼をはじめ大根やシソなどの食材は、刺身のつまとして必ず添えられていますが、そこには、ちゃんとした理由があります。
- 理由1:生魚の食あたりを防ぎ、消化を助けるため(解毒効果、殺菌効果)
- 理由2:その鮮やかな色味で刺身の盛り付けをより演出し、美味しさを引き立たせるための視覚的効果
- 理由3:刺身を食べたあとの口直しとして
つまは、生ものである魚の食中毒を防ぐための解毒効果と消化を助けるために添えられおり、刺身を食べる時にはとても重要な役割を果たしています。
生魚を食べるようになった500年前の江戸時代から、先人たちが、美味しく安全に生魚を食べるために考えた知恵だったのです。
また、刺身を豪華に見せるための演出効果もあり、刺身を食べたあとのお口直しとして、様々な効果のある存在です。
大根やシソはもちろんのこと、紅蓼も、健康維持に欠かせない多くの栄養素が含まれているので、食べずに残してしまうのはとてももったいないことだったのです!
蓼(たで)の栄養
実は、古くから日本や海外でも食されていて、解毒効果のある薬草として、漢方薬や民間薬、解毒剤、虫除け等として用いられてきました。
栄養成分は、食物繊維、カリウム、カルシウム、ビタミンCが多く含まれています。
また、ポリフェノールも豊富に含まれています。
食物繊維
便の量を増やし便秘予防の効果があるのはもちろんのこと、糖の吸収を緩やかにする働きがあり、血糖値の急激な上昇を防ぐ効果があるため、糖尿病の予防と改善にも効果が期待できます。
カリウム
血圧を調整し、高血圧を予防。細胞が正常な機能を維持するのを助ける効果があります。
カルシウム
骨や歯を作るために欠かせないミネラルの一つです。
また、血液の凝固を助けたり、筋肉の収縮をスムーズしたり、ホルモンの分泌を促したり、動脈効果や高血圧予防など多岐にわたって私たちの健康維持に欠かせない栄養素です。
ビタミンC
人間が体内で作り出せず、必ず食品から摂取しなければならない栄養素です。
ビタミンCはコラーゲンの合成に不可欠な栄養素で、肌にハリやツヤを与え、健康な肌を作り、老化防止や健康維持を助ける作用があります。
また、強い抗酸化作用があるので、活性酸素の発生を抑えてくれます。
蓼に含まれるビタミンCはレモンよりも多く含まれています。
ポリフェノール
強い抗酸化作用があり、活性酸素を除去し老化や病気を予防だけでなく、抗がん作用やアンチエイジング効果や、血液サラサラ効果や眼精疲労の効果があると言われています。
紅蓼の健康効果
- 血液をサラサラする
- 加齢にともなう目の病気を予防
- 高血圧予防
- 生活習慣病予防
- 美肌効果/アンチエイジング
今まで、飾りだと思っていた蓼は、実は私たちの健康維持に効果が期待できる成分が含まれていて、食べないのはもったいないということがお分かりいただけましたでしょうか。
紅蓼は抗酸化作用とアンチエイジング効果が期待できる女性にぜひ食べてもらいたいおすすめ食材です。
お刺身の“つま”以外での活用方法
紅蓼は、お刺身のつまとして見かけることが多いですが、その他にも、もちろん使用することができます。
- お吸い物の薬味として
- サラダのトッピングとして
- そばの薬味として
- ピザのトッピングとして
- 酢の物や和え物と一緒に
- 様々な料理の彩として
和食だけにとどまらず、洋食のメニューでも利用できる万能食材です。
また、紅蓼シューズや紅蓼甘酢なども販売されています。
以前、食べた創作料理のお店も紅蓼を鯛のカルパッチョの上に使用していました。
いつもの料理に少しアクセントとして加えるだけでも、彩りもよく豪華に見えますよ。目で料理を楽しみながら、味合うこともできます。
最後に
今まで、気になっていたお刺身についてる赤いつまである紅蓼。
健康効果や美肌効果も期待できると聞いたら、次から食べよう!と思ってしまいますね。
一部の店頭やインターネットなどからも購入可能です。少量からでも購入できるようですので、気になる方はぜひ試してみてくださいね。