世界三大穀物として親しまれている、とうもろこし。
原産は中南米で、日本では明治時代に北海道で本格的に栽培が始まりました。
このとうもろこし、実は収穫した瞬間からどんどん甘味が損なわれて行き、まったく日持ちしません。
おすそ分けでたくさんいただいたときなど、どのように消費・保存しようか困ってしまいますよね。
そんな時にぜひ選択肢に入れてほしいのが、「乾燥とうもろこし」です。乾燥することで味が凝縮されておいしくなりますし、常温での日持ちもするので災害時の非常食にもおすすめなんです。
今回はその乾燥とうもろこしの作り方と、おいしい食べ方をチェックしていきます。
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とうもろこしは鮮度が命!
収穫した後のとうもろこしは、時間がたつにつれてどんどんと甘味が落ちていきます。その速さは、30℃で1日置いて置くだけで半減すると言われる程です。
そのため、収穫・購入したとうもろこしは生のままでの保存を避ける必要があります。
一般的には、とうもろこしを茹でて冷蔵庫や冷凍庫に保存ですね。
最近では、ラップとジップロックバッグでしっかり密閉すれば生のまま冷凍保存もOKというのが通説です。
これでも、冷蔵の場合は数日、冷凍でも1ヶ月程の日持ちが目安になります。
とうもろこしは乾燥させることで、長期保存が可能
そこでぜひ活用したいのが、とうもろこしの乾燥保存です。
水分をしっかり飛ばして完全に乾燥させ、湿気に気をつければ、半年はおいしく食べられますよ。
さらに、日持ちだけではなく、乾燥させることでうまみがギュッと濃縮されて、味が良くなるのも嬉しいところ。
少し手間はかかりますが、たくさんのとうもろこしを持て余しているときは乾燥保存がおすすめです。
乾燥とうもろこしを作る方法
ご家庭で作るのに一般的な方法は、天日干しです。
塩ゆでしたとうもろこしを、日光に当てて乾燥させる方法ですね。
時間や天気に余裕があれば、丸のまま乾燥させるのが手軽です。
剥いたトウモロコシの皮を使って物干し竿などに結び付ければ風通しも良く、まんべんなく乾きますよ。天気にもよりますが、出来上がりまでは大体1~2週間ほどで乾燥します。
乾かした後は、とうもろこしの実の部分が簡単に外れます。
早く乾かしたいなら、粒をバラバラにしてから乾かすのがおすすめ。
とうもろこしの粒をきれいに剥がすのは少し骨が折れますが、箸を使って取りやすくするこんな方法もあります。
ばらした粒は、重ならないようにざるや干し物用の網などに入れて、風通しが良く、日の当たる場所に置いておきます。
糖分の多いとうもろこしには虫が寄り付きやすいので、ざるを使う場合はそのまま置かず、網でカバーしておきましょう。
1日に何度か場所を入れ替えたりひっくり返したりすると、まんべんなく乾燥させることができますよ。出来上がりまでは、大体3日~1週間ほど。
また、時短としてオーブンで乾燥させる方法もあります。
粒同士を離して、100℃程の低温で1~2時間後、予熱で置いておけばカラッと仕上がりますよ。
出来上がった乾燥とうもろこしは、密閉容器にいれて湿度が低い場所で保存します。
お菓子などについている乾燥材を一緒に入れておくと、さらに安心。
頻繁に作るなら、食品乾燥機を導入すると便利
天日干しだとどうしても時間がかかりますが、食品乾燥機があれば一定の条件下で効率よく乾燥できるので、仕上がりまでの時間がぐっと短くなります。
乾燥ムラなども出来にくく保存性も上がりますよ。
たまにしか使わないなら場所も取りますし、あまり必要ないかもしれませんが、他の野菜や果物などにも使えますし、使う機会が多そうなら導入してみるのもいいかもしれませんね。
機械の中での乾燥なので、天気や虫、ほこりなどの心配をしなくていいのも大きなメリットです。
乾燥とうもろこしはどうやって食べる?
こうしてできた乾燥ともろこしは、そのまま食べてもOK。
料理などに使う場合は、水でしっかり戻してから使いましょう。
炊き込みご飯にしたり、サラダに使ったり、コーンスープにしたり、使い方は自由自在です。
カレーやグラタンなどに入れてもおいしいですよね。
一度干したとうもろこしの食感は生のものとはまた少し違いますが、歯ごたえが増してこっちの方が好きという方もいます。
食品乾燥機のメーカーさんが紹介している、こんな簡単スープのレシピもあります。
参考 ポリ袋レシピ☆乾燥とうもろこしのスープCOOKPADお湯と袋があれば鍋を使わずにスープが作れます。
他にも乾燥野菜を作っておけば、災害時の栄養補給としてとても心強いですね。
おわりに
生ではどんどん風味が落ちてしまう、とうもろこし。
早めに乾燥しておくことで、うまみが濃縮されたとうもろこしを長く楽しむことができますよ。
少し手間はかかりますが、災害時の栄養補給にも心強いアイテムです。
ぜひ、ご家庭でもチャレンジしてみてくださいね。