夏を代表する野菜のひとつであるトマト。
真っ赤に染まった実にはたっぷりの水分と栄養が詰まっていて、食べると元気が出ます。
トマトは7~9月が旬といわれていますが、1年を通してスーパーなどで購入することができます。
ですが、スーパーに並んでいるトマトを見て「まだ青くて熟していないなぁ」と感じたことはありませんか?
トマトの実がやや青くても問題なく食べられますが、せっかくなら真っ赤に熟した甘いトマトを食べたいですよね。
すでに収穫されたあとのトマトでも追熟できるのか、その方法についてご紹介します。
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トマトは収穫後でも追熟が出来る!
トマトは、収穫後に追熟ができる作物です。
通常トマトを出荷するときには、店頭に並ぶ頃にちょうどよく赤く追熟されるように、まだ青みが残るうちに収穫することが多いです。
道の駅や農産物の直売所ではその限りではありませんが、スーパーなどに出荷するときにはどうしても収穫からやや時間が経ってしまいます。
トマトが十分に赤くなってから収穫すると、その分日持ちがしなくなってしまいます。
そのため、青みが残るうちに収穫し、スーパーなどで購入したあとに長く日持ちしおいしく食べられるように考えられているのです。
追熟したトマトは青い状態よりも美味しくなり、栄養価も上がる!
追熟したトマトは、青いトマトよりも糖度があがります。
そのため甘味が増し、酸味も感じにくくなります。実もやわらかくなり、独特の青臭さが抜けて食べやすくなるでしょう。
また、「トマトが赤くなると医者が青くなる」といわれるように、トマトが赤くなることで栄養価も上がります。
追熟するに従って、トマトの赤色のもとになっている「リコピン」という成分が増加します。
リコピンには強い抗酸化作用があり、免疫力アップやアンチエイジングにも効果が期待できます。
トマトを追熟する方法
まだ青いトマトを赤く追熟させるためには、いくつか方法があります。それぞれの方法について、詳しくみていきましょう。
日光に当てる
まず、トマトを日光にあてる方法です。
トマトは冷蔵庫に入れるよりも、常温で追熟が進みます。
日光の当たる窓辺などにトマトを置いておきましょう。
このとき、トマトのヘタを下にして置くことがポイントです。
この方法に限らず、トマトは熟すほど傷みやすくなります。ヘタを下にして置くことで、トマトの実にかかる負担が減り、傷みを防止することができます。
トマトの青さ具体にもよりますが、やや青みが残っている程度のトマトであれば、数日で赤く熟します。
濡れた新聞に包んでおく
次に、濡れた新聞に包んでおく方法です。
まずは新聞紙に霧吹きなどで水を吹きかけ、十分に湿らせます。
湿らせた新聞紙でトマトを包み、風通しの良い日陰に置いておきましょう。
新聞紙が乾いたら、再び霧吹きなどで湿らせます。
注意点としては、風通しの良いところに置くということです。
風通しの悪いところに湿った新聞紙を置いておくと、カビの原因になります。
トマトが傷んでしまうことにつながるため、保存場所には注意しましょう。
黒い布をかけておく
トマトに黒い布をかけておく方法です。
日光に当てる方法とは正反対のようですが、この方法でもしっかり追熟してくれます。
基本的なやり方は、濡れ新聞に包む方法と同じです。
濡れ新聞の代わりにトマトに黒い布をかけ、風通しの良い日陰に置いておくだけです。
濡れた新聞のように乾いたら再び濡らす必要がないため、こちらのほうが手間が少なくて済みます。
多くのトマト農家の方が実践している方法で、ただ単に暗いところに置くのではなく、黒い布をかけるのがポイントだそうです。
日光に当てるだけよりも、追熟したときに甘味が増すといわれています。
りんごといっしょに保存する
最後は、トマトをりんごと一緒に保存する方法です。
トマトが追熟するためには「エチレンガス」という植物ホルモンが必要となります。
りんごはそのエチレンガスを発生してくれるため、りんごといっしょに保存することでトマトが追熟するのです。
トマトとりんごを一緒にビニール袋にいれ、常温に置いておきましょう。
ビニール袋を密閉してしまうと、蒸れて傷みの原因になることもあるため、ビニール袋の口は軽く閉じ、ときどき換気するとよいでしょう。
また、りんごが発生するエチレンガスは、トマト以外の果物や野菜を追熟させたいときにも効果があります。
逆に、傷みが早くなってしまう場合もあるため、熟させたくないものや傷みやすいものは、りんごと離して保存しましょう。
まとめ
夏野菜を代表するトマトについて、青いトマトを真っ赤に追熟する方法をご紹介しました。
トマトは、赤く熟すことで栄養価がアップし、よりおいしくいただくことができます。
今回ご紹介した方法が、どれも家で手軽にできる方法です。
買ってきたトマトがまだ青い場合には、ぜひ試してみてくださいね。